廃棄コストと手間を削減し、売上利益を上げる手法

企業が払う廃棄コストは運搬費や
処分費以外にも以下のような種類があります
多くの企業様は「直接的なコスト」に目が行きがちですが
売上利益への影響度が高いのは「間接的なコスト」になります

企業が支払う廃棄コスト一覧

1.直接的なコスト

これが一番最初に目が行くコストですが
コスト構造の内訳を知る事で直接的な処分コストを
下げる取組みがしやすくなります

1)廃棄物の収集・運搬コスト

廃棄物の収集・運搬コストは、廃棄物を発生源から処理施設や
最終処分場まで輸送する過程で発生します。
主要な要因には以下のようなものがあります

①輸送手段の種類と運用コスト:
使用される車両(例えばトラックやコンテナ)の種類、維持費用、およびそれらの運用にかかるコスト。

②燃料費:
車両の燃料(ディーゼル、ガソリン、場合によっては電気など)に関連する費用。

③運転手や作業員の労働費:
廃棄物を収集し、運搬する運転手や作業員の人件費。

距離と時間:
廃棄物の発生源から処理施設までの距離と、その輸送にかかる時間。
長距離や交通渋滞はコスト増加の要因になり得ます。

⑤規制遵守と安全管理:
廃棄物輸送に関する法規制や安全基準の遵守に必要なコスト。

⑥廃棄物の種類と量:
収集し運搬する廃棄物の種類(危険物質、一般廃棄物など)と量。
特殊な処理が必要な廃棄物はコストが高くなることがあります。

処理施設での処理コスト

処理施設での処理コストは、廃棄物の最終的な処分やリサイクルを行う過程で発生する費用です。
このコストは、廃棄物の種類、量、処理方法、および施設の運営効率に大きく依存します。
主なコスト要素には以下のものが含まれます。

施設の運営と維持費:
処理施設の建設、運営、および維持に関連するコスト。
これには、建物の維持修理、機械設備の更新、安全対策の実施などが含まれます。

②労働コスト:
処理施設で働く従業員(技術者、オペレーター、管理職など)の給与や福利厚生費用。

③処理技術の選定と実装:
廃棄物を処理するための技術的手段(焼却、生物学的処理、物理的分離など)の
選定、導入、および維持に関連するコスト。

④エネルギー消費:
廃棄物処理に必要な電力、熱、または他のエネルギー源に関するコスト。

⑤廃棄物の種類と処理方法:
処理する廃棄物の種類(一般廃棄物、有害廃棄物、生物性廃棄物など)と、それに適した処理方法の選択。

⑥環境規制の遵守:
環境保護規制や廃棄物処理基準の遵守に関するコスト。
これには、排出される汚染物質の管理や処理後の廃棄物の安全な処分が含まれます。

⑦廃棄物処理後の製品や副産物の管理:
廃棄物処理後に生じる製品や副産物(再生資源、焼却灰など)の管理と販売または処分に関するコスト。

特定の廃棄物に対する税金や規制遵守に関するコスト

特定の廃棄物に対する税金や規制遵守に関するコストは、
廃棄物管理の法的および財政的な側面に関連します。
これらのコストは、環境保護、公衆衛生の確保、
そして持続可能な廃棄物処理を推進するための政府の取り組みの一環として発生します。
主要な要素には以下のようなものがあります

廃棄物税:
一部の地域や国では、特定の種類の廃棄物(特に有害廃棄物や大量の産業廃棄物)に対して税金が課せられています。
この税金は、廃棄物の発生量を減らし、環境負荷の低い処理方法の採用を促すためのインセンティブとして機能します。

②規制遵守コスト:
廃棄物処理に関連する法規制の遵守には、適切な処理方法の選択、設備の維持、安全基準の満たし、文書記録の保持などが必要です。これらの活動は、適切な遵守を確保するために追加の管理コストを発生させます。

③環境罰金と訴訟コスト:
規制違反や環境汚染に対する罰金や、関連する訴訟によるコスト。
これには、違反に対する罰金、訴訟費用、損害賠償金などが含まれます。

④許認可と監査:
廃棄物処理施設や特定の処理方法に必要な政府の許認可の取得と、定期的な環境監査の実施にかかるコスト。

間接的なコスト

企業様の内部で廃棄物の分別や処分を
行っている場合に発生する間接的なコストには
以下のようなものがあります。

1.人件費:
廃棄物の分類や整理、マニフェストなどの事務業務
管理に関わる従業員の給与やトレーニングコストが
間接的なコストとして大きなコストの1つになります。

また人的リソースの分散による売上利益につながるコア業務への機会損失
考えていくととても大きな損失に繋がっていきます。

昨今の経済事情からも少数精鋭で売上利益をあげるためにも
人件費負けする業務の圧縮や外部委託化は大きな課題になります。

2.スペースコスト:
廃棄物保管に必要なスペースの維持費用になります。
倉庫やバックヤードなど保管スペースとして利用している場所
賃料がかかっていたり、所有物件だとしても減価償却費や固定資産税を
考えるとスペースコストが発生していることになります。

3.機器・設備のコスト:
廃棄物処理に使用する機器や設備の購入、維持、更新コストになります。
鉄箱やフォークリフト、運搬もしている場合はトラックなどの設備の費用も加わります。

その他のコスト①(環境への影響に関連するコスト)

環境汚染による罰金や訴訟コスト:

持続可能な廃棄物処理への移行に関連する研究開発コスト:

その他のコスト②(リスク管理コスト)

廃棄物処理に伴う事故や漏洩に対する保険コスト:

非適切な廃棄物処理によるブランドイメージの損失に関連するコスト」

これらのコストを理解し、適切に管理することは、
企業の財務状況と環境への影響を最小限に抑える上で非常に重要です

直接的な廃棄コストの削減方法①

ここでは先程お伝えした「直接的な廃棄コスト」の
削減方法について説明していきます

1.廃棄物の収集運搬、処分コストの相場について確認する

廃棄物は地域や産業廃棄物の運搬および処理業者によって価格が変動します
さらに近年は「燃料費の高騰」「人件費アップ」「物価上昇」など経済状況によって

日々、価格がかわるため非常に把握しずらいですが、近隣の処理業者への相見積もりを行うなど
廃棄コストの相場を把握するだけでも直接的なコストを大幅に削減できます。

これは処理業者によって「処理品目の得意分野」が異なり
得意なものであれば安価、不得意なものであれば高額な金額が提示されることが一般的だからです。

これは得意な品目は、その処分を効率的に行うための「設備」が
充実していたり、処理工程にかかる人件費や管理費を下げる企業努力がなされているためです。

複数種類の廃棄物が大量にある場合は、
出張見積などを事前に依頼しておくと取引がスムーズです。

地域、業者様によって異なりますが参考値として
リサイクルハブで掲載されている処理料金相場をご確認ください

産業廃棄物の処理料金相場

2.廃棄種類ごとに分類してコスト削減

「木材」「ガラス」「金属」など複数種類の廃棄物が混ざっている
「収集運搬費」と「処分費」のどちらもコストが割高になりやすいです。


それは、「収集運搬費」の場合どの品目がどれくらいの重量なのか判別しにくいため
中間処理業者に引き渡す際の手続きが煩雑になったり、受入れ可能な処理業者が限られるなど
処分単価の高い品目に寄せる必要や、運搬距離での運搬費が上がってしまいます。

「中間処理業者」も搬入後の処分物を分類する手間がかかるため
どうしても処分コストが割高になってしまいます。

処分物ごとに分類しておくだけで、
「収集運搬費」「処分費」のどちらも削減することが可能です。

このように「処分費」の削減につながるだけでなく
「リサイクル品」が見つかったり、「鉄くず」「銅アルミなどの非鉄」を含む
「有価資源」にわけておければ「買い取って」もらうこともできます。

産業廃棄物一覧表(20 種類)と具体的な例はこちらになります
多く排出されて可能な種類から少しずつ分類していきましょう

3.産業廃棄物をスムーズに分別するためのポイント

■産業廃棄物が発生したタイミングですぐに分別する

産業廃棄物が発生したら、すぐに
分別するようルール付け・習慣づけをましょう

分別を先延ばしにしたまま産業廃棄物をまとめておくと、後々分類するのに手間がかかります。
動線や保管場所をあらかじめ決めておくなど、管理者・担当者以外でも分別しやすい環境を作る工夫も大切です。

■写真や図を用いて処理方法を告知する

「分別の仕方・処理方法がわからないから後回しでいいや」
という事態を起こさないために、写真や図を用いて処理方法など表示しましょう。

また、分別前後の廃棄物を比較する写真や具体的な削減量を図で明示し、分別への意識を高めるのもおすすめです。
社員の意識向上にも繋がり、CSRレポートなどでアピールできる要素にもなります。

■全社員で取り組めるように、仕組みづくりをする

特定の部署・従業員だけが産業廃棄物の分別を行うのではなく、
全社員で取り組めるように仕組みを構築することも重要なポイントです。

例えば産業廃棄物の分別について学ぶ勉強会や研修会などを全社員に向けて実施することで、
分別に対する意識向上に繋がるでしょう。

4.荷積みしやすい鉄箱やメッシュパレットに溜めておく

鉄箱・コンテナ・バッカン

メッシュパレット

アームロールコンテナ

「収集運搬費用」の中に「荷積み」にかかる「作業時間」に応じて
「作業費」が発生してしまいます

荷積みにかかる作業時間を短縮することで
それらのコストを下げる事ができます。

「収集運搬業者」や「処分業者」でアームロールの鉄コンテナを設置すると
収集の作業時間は短縮されますが、「コンテナのレンタル料」がかかる場合があるので
トータルでの費用を見積もる必要があります。

自前でフォークリフトがあれば、「鉄箱」「メッシュパレット」を設置して
次回収集時に空箱を持ってきてもらうなどで対応ができますし
設備単価の安いトラックでの運搬ができるため「収集運搬費」を削減することに繋がります。

直接的な廃棄コストの具体的な削減方法②

1.木材・木くずのケース

木材・木くずは、廃棄物として出やすく
水分を含んでいる場合は重量も重いため
通常の廃棄だと廃棄コストがかさむ品目の1つです

廃棄コストを下げる場合は、木材や木くずを原料(または燃料)にしている
工場や会社に持ちかけることで無料回収または安く引き取ってくれるケースがあります。

具体的には「ウッドチップ会社(原料)」「昔ながらの銭湯(燃料)」「ウッドペレット会社(原料)」
のような会社が近くにある場合は、相談することで木材・木くずの廃棄コストを大幅に下げられます。

また、「パーティクルボード」「製紙・パルプ原料」「舗装材・バーク堆肥・炭化」などの
マテリアルリサイクルをしている会社や

「木製ペレット」「ボイラー燃料」「セメント原燃料」などの
サーマルリサイクルを行っている会社も相談対象の会社になってきます。

「薪ストーブ」のメーカーや利用している個人に提案するのも1つの方法です。
ただし、プリント合板など「塗料」「接着剤」「プラスチック素材」が
混ざっている木くずは燃やすと有害物質がでるため引取り対象外となります。

2.古紙・段ボールのケース

古紙・段ボールは資源ごみとして有名ですが、
以外と産廃として処分している企業が多い品目です

古紙・段ボールは「再生紙・製紙会社」に原料として買い取ってもらったり
大量にある場合は定期回収の相談も可能です。

また、「段ボール製造工場」に相談することで
こちらも原料として買取または無料回収してくれるケースがあります。

ただ、量によっては収集運搬費がかかったり
自分で持ち込む場合も人件費など間接的なコストがかかるので
発生量が少ない場合は、無料回収してくれる業者を探すのが費用対効果が高いです。

3.ゴムくず、タイヤ(ホイール無し)のケース

ゴムくず、タイヤなどは処分費用の高い品目の1つです
タイヤなどはアルミホイール(有価資源)とセットで買取や回収を
してくる業者は多いですがタイヤ単体だと処分費が高いため敬遠されます。

タイヤの場合は、「中古車ショップ」「中古タイヤショップ」など
状態がよければ「リユース品」として買い取ってもらえたり
状態の悪い処分品もセットで回収してもらえる場合があります。

また、「ゴムを燃料として使っている会社」や「ゴムでブーツなどを作る業者」
販売したり無料回収できたりする場合もあります。

注意点としてはゴムくずは原料(天然ゴム、合成ゴム)
によって分類が異なることです!
ゴム製の廃棄物の分別には注意が必要です

ゴムくずに分類される具体例

■天然ゴムを切断した際のくず(裁断くず)
■ゴムくず(布とゴムの特性を併せ持つゴム引布などもゴムくずに分類)
■エボナイトくず  

よく間違われやすいのが「廃タイヤ」の分別です。
「合成ゴム」を原料としており、「廃プラスチック類」に分類されるので気を付けましょう。
合成ゴム製品、長靴も同様に「廃プラスチック類」に分類されます。

天然ゴムが原料:「ゴムくず」に分類
合成ゴムが原料:「廃プラスチック類」に分類

4.鉄くず、スクラップのケース

鉄くず

銅くず

アルミくず

鉄くずは「有価資源」として買取してもらえることで有名です。
鉄くずだけでなく「銅」「アルミ」「真鍮」などの非鉄も高値で取引されるため
こういった有価資源は分類して溜めておくことで「売上利益」にもつながります

注意点としては前述した「ごちゃ混ぜ」での保管を避けることです。
処分品目と混ざっている場合には「処分費用」がかかったり
「買取金額」が大幅に下がる(分別作業工数がかかるため)ので損失になります。

同じ鉄でも「錆、汚れ」などの状態や
鉄骨、鉄線など形状や製造方法でグレードが異なり
それによって取引される値段も変わってきます

「直接的」「間接的」なコストを両方削減する方法

「直接的なコスト」を削減しようと「分類」したり
「無料回収場所」を探すなどを行うと
企業の人件費など「間接的なコスト」が上がったり
手間がかかるのは面倒などあると思います。

そういった場合に「直接的」「間接的」なコストを
両方削減する方法についてご説明いたします。

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